今日の戦車砲にとって最も重要な能力は、敵戦車の装甲に対する貫通力である。開発の主眼も当然そこにある。戦車は軟性目標、すなわち装甲を持たない敵とも戦わねばならないが、そういう敵に用いる榴弾の威力は現代の口径100mm以上の戦車砲では十二分と考えられているため、榴弾威力を高めるために開発努力が傾けられることはあまりない。
だが、戦車が現在より小さく、搭載できる兵器に制約があった時代には事情は違っていた。
戦間期には戦場の将来像はまさに五里霧中であった。当時は、戦車がいかにあるべきか、戦う相手は誰かなどといった問題が諸説入り乱れて議論されていた。仮想敵に敵戦車を考えるなら対戦車能力のある戦車砲を積み込まねばならず、歩兵を主敵とするなら機関銃や榴弾効果の高い砲を積み込まねばならなかった。
正しい答案を書いた国のひとつがドイツだった。
まず、ドイツは戦車砲は対戦車能力をもつべきと考えていた。さらに、軟性目標に対してはもっぱら榴弾をもって対処すべきと考えていた。榴弾といっても、実際の戦場では75mm級以上の榴弾でなければ決定的な効果は望めない。彼らは妥協策として、一部の大型戦車−IV号戦車にのみ75mm榴弾砲を搭載して、小口径対戦車砲装備の主力戦車を支援させる計画を立てた。
この点について、とくにドイツが最初から対戦車能力を中心に戦車の兵装を考えるという「進歩的」な考えを持っていたという神話がある。
ドイツ装甲部隊の父グデーリアンによれば、装甲部隊の意義のひとつは敵砲兵、機関銃の活動下に最前線で大火力を発揮できることにある。第一次世界大戦の膨大な弾量による間接砲撃に替えて、効果的な直接砲撃が戦線に突破口を開けるのだ。当然その火力は「砲兵、機関銃を沈黙させるに足る火力」(グデーリアン『電撃戦』)でなければならない。彼は軟性目標に対する攻撃力を軽視してはいなかった。
ドイツは、戦車砲の対戦車能力と榴弾威力の両方を重視した点において正しかった。対戦車能力を欠き、敵戦車に歯が立たなかった日本戦車、榴弾を撃てなかったため対戦車砲に甚大な損害を被ったイギリス戦車の例は、彼らの正しさを逆説的に証明するものである。対戦車能力と榴弾威力のいずれを欠いても、戦車は十分な威力を発揮できないのだ。
1940年5月13日、ロンメルの第7装甲師団はムーズ川の渡河を試みていた。現場には何両かのIV号戦車が到着、その支援の下に工兵がケーブル・フェリーを設置し、大規模な渡河が始まった。
IV号戦車の短砲身75mm砲は装甲貫通力には乏しかったが、敵の防御陣地攻撃には強大な破壊力を発揮した。
この日、フランス共和国の防衛線を打ち砕いたのはIV号戦車の榴弾だったのである。
| キット: | タミヤ |
| スケール: | 1/35 |
| 制作者: | 不肖、私 |
| 制作時期: | 2001年11月〜2002年5月 |
新作です(^_^)V
制作期間、足かけ6ヶ月。途中ちょっと体調を崩して2ヶ月ほどモデリングを休んだのですが、それにしても時間がかかりました。
エデュアルドのエッチングパーツとモデルカステンの連結式可動履帯を使いました。今回はエッチングパーツも半分くらい使ったので「買って損した」感じはあまりないです。
砲塔後部とキューポラの継ぎ目の溶接痕をエポキシパテで再現しましたが、これはちょっとハデにやりすぎました。砲塔側面のハッチの蝶番部分は隙間があり、みっともないので、裏からプラ板でふさいであります。
塗装は、下地ブラックの上にパンツァーグラウをグラデ吹きしました。その後エナメルのブラック+ペトロールでウォッシングしましたが、その結果が気に入らず、再びパンツァーグラウの吹き付けで修正しました。ドライブラシは、エナメルのパンツァーグラウとバフの混色で行っています。基本塗装でグラデーションをかけていますので、うるさくならないようドライブラシは一色で済ませました。
足まわりのウェザリングは淡くサンディーブラウンを吹きました。履帯の錆表現と排気マフラーのみ、パステルを使用しています。排気マフラーはエナメルのブラックを筆塗り後、パステルを乗せました。
デカールを貼ってみたものの、どうしても気に入らなくて、国籍マークとターレットナンバーはエデュアルド製のステンシルで吹き付け塗装しました。ナンバーは「1」のみ。フランス戦時のIV号戦車にそういう車輌があったかどうかはわかりません。考証は無視です(^_^;)
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